新作仕入れの1件目が届いた!
備前焼の土は、水田の下に蓄積された、数十年~数百年前の土を使う。 そのためキメが細かく(実際に粒子を砕く工程も存在する)、密度が高いので、薄手でも堅くしっかりと炎を焼き写す。 一方で、唐津焼は山から掘った土(もしくは砂岩)を使う。唐津湾に川を流す山々からは、豊富な種類の土が採れ、配合や焼き方によって様々な色や雰囲気、重さの器が焼き上がる。 さて、今回の川上清美氏の焼き締めの徳利と酒盃だが、ビジュアル的には一部の備前焼に似ている。 しかし、自然釉のかかっていない部分に触ると、ふっと土のような藁のような匂いがするのが特徴だ。
触覚による幻視のようなものだが、太古より動植物の営みに育まれた土は、登り窯での焼成を経て、陽の光にさらされたような匂いを放つのだ。 ちなみに、「藁ではなくイグサがちょうど良い」ということで、藁よりも繊細な焼きあとがつけられている。(備前焼の緋襷は藁によるもの)