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東直子インタヴュー④閑話

#文学#書籍

東直子は間違いなく時代の寵児だった。
 吉本隆明をして「1,200年の短歌史における頂点」と言わしめた塚本邦雄、岡井隆両氏がご存命であり、現役であった中、俵万智が一般に売れている傍らで、穂村弘、加藤治郎らと共に「ニューウェーブ」と呼ばれる短歌の現代化を推し進める波の中心にいた。

「断言できるが、この二十年間(※1)の口語短歌でもっとも影響力が大きかったのは東直子の文体だ」(※1・・・2000年〜2020年を指す)
 という瀬戸夏子氏の証言の通り、「文体」を主戦場にしたのは、またできたのは、ニューウェーブの中では彼女だけだった。
 俗に「万智調」と言われる俵万智ですら、その訴求力は乏しかったように思う。

①実生活の実際の体験を核とし、
②その中に複数の意味とリズムを込め、
③幻視の様なものを作り出す。

 今回のインタヴューで判明した、①~③の制作順こそが、この、「文体」の正体なのではないだろうか。

この記事の著者

田中 悠貴

1983年12月16日生まれ。慶應大学総合政策学部、福田和也研究室卒業。建築業・ビル業に従事する傍ら、アートイベントの運営に携わる。以降、暮らしや生活、文化の向上を目指し、株式会社ANTI-ICONを立ち上げる。

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