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文学

東直子インタヴュー⑥恋は孤独のバリエーション

#culture#文学#書籍

 ここで、今回の本題の一つ「現代短歌を日常の光景に」という課題に。
 東さんには、予め

①壁に飾ったら楽しい現代の短歌
②壁に飾ったら風流な短歌
③問答無用の現代の短歌

の三つを選んでおいて頂いた。
まずは

①壁に飾ったら楽しい現代の短歌

・ゆふぐれに櫛をひろへりゆふぐれの櫛はわたしにひろはれしのみ  永井陽子

リフレインの女王、永井陽子さんだ。
 「まず、ひらがなが好きなんです。ひらがなが多くてカッコいい。櫛だけが漢字で、漢字としても綺麗だし、見た目が美しい。仮名文字を書く人にとっても面白いかと」
という東さん。
 確かにカッコいい。

 「内容としては何にもないようでいて、なんとも言えない無限の寂しさもあり、孤独だった櫛が孤独な私に拾われたという安堵感もある。
 恋のようなもので、感情の中で一番激しいものがある。
 俵万智さんはドラマティックでシチュエーションの掴み方がうまいですけど、もうちょっと機微があると思う。結局、孤独のバリエーションの一つなんだと思うんです」
 おっと、聞き逃せない発言が。

 「恋は孤独のバリエーションの一つだと考えているのですか!?」
 浅井和代の短歌「いつかふたりになるためのひとりやがてひとりになるためのふたり」のような思考に驚いてしまった。

・ふたりしてひかりのように泣きました あのやわらかい草の上では (東直子『青卵』)
でも、二人で仲良くしてるのに孤独な感じがあるという。
 そして、確かにひらがなが多い。今更ながら、東作品におけるひらがな作品の多さに少し驚く。
(ここで、例としてつげ義春も出されたのだが、あまりわからなかったので割愛させて頂く。)


... to be continued

この記事の著者

田中 悠貴

1983年12月16日生まれ。慶應大学総合政策学部、福田和也研究室卒業。建築業・ビル業に従事する傍ら、アートイベントの運営に携わる。以降、暮らしや生活、文化の向上を目指し、株式会社ANTI-ICONを立ち上げる。

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